本: 2008年3月アーカイブ
ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!
梅田望夫
文藝春秋 2008-02-28
売り上げランキング : 21413
おすすめ平均
Amazonで詳しく見る by G-Tools
インターネットの接点に位置する仕事をしていながら、ただ日々の仕事を漫然とこなすことしか見えていないまま5年余りも過ごしていました。そのことにようやく気が付いたのは、去年の夏頃だったでしょうか。
これというきっかけがあったわけでもないのに、ある日突然にそれまで見えなかったものが急に開けたような感覚があって、その日の晩奥さんに向かって「インターネットってこんな風になってて、これがこうで・・・こんなにすごいんだよ!」と、柄にもなく熱っぽく語ったことを思い出します。
あっち側の世界でAランクをひた走る人たちからすれば一生取り戻せない位の出遅れではあるでしょうが、自分にとってはもうやり直す力も沸かない年齢であったり身動きが取れない状況になっている前に、こうした気付きを得ることができたのは本当に幸いでした。
そうした気持ちをさらに後押ししてくれたのは、梅田望夫氏の「ウェブ進化論」、「ウェブ時代をゆく」であり、そして「ウェブ時代 5つの定理」もその期待に応えてくれる内容でした。
私が本書で特に印象に残ったのはこの言葉です。
Betting against the net is foolish because you're betting against human ingenuity and creativity,
ネットが負ける方に賭けるのは愚かだ。なぜならそれは人間の創意工夫と創造性の敗北に賭けることだから。
- エリック・シュミット
とかく世間では負性が多く取り上げられがちですが、この世界にインターネットが浸透したことはつくづく素晴らしいことだと思います。
やる気さえあれば、どんな人にも世界中に情報を発信することができる、面白いサービスを作ることができるというチャンスが与えられています。
私も小さなサイトを幾つか持っていますが、インターネットのほんの片隅ではあっても見に来てくれるユーザーはいて、それにリアクションを付けてくれる人までいる。界隈の一般人がこんな簡単に世間に主張できることなんて、一昔前には考えられなかったことですよね。
先に、遅くても気付いて良かったと思ったのはそういうことでもあり、こんな魅力的な時代に自分も同じ時を過ごせるのが嬉しいという気持ちがあったからです。
Get a job where you can observe how the world is developing so that when the next big thing comes along, you'll be in a pasition to see it
世界がどう発展するかを観察できる職につきなさい。そうすれば、「ネクスト・ビッグ・シング」が来たときに、それを確認できる位置にいられるはずだ。
- ロジャー・マクナミー
ちょうどこの3月から4月にかけて引っ越し~転職という一つの転機を迎えます。
地方へのUターンとなることでリアルな「見晴らしのいい場所」から遠ざかってしまうというのはあるけど、あっち側の世界を最大限活用することで少しでも自分の見晴らしを良くしようとする事はできるはず。
グローバルな「ネクスト・ビッグ・シング」には常に注意を払いつつも、まず今は地方に小さな波の一つでも起こしてみようという自分なりの希望に満ちています。